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「学校ビオトープ」カールスルーエ大学

 

“持続可能な共存システム”を体験で学ぶ
Live in and learn what the "long-lasting coexisting structure" is like:

●10月26日 ドイツ・カールスルーエ
<October 26> Karlsruhe GERMANY

「池を作ればそれが“Biotope”、と勘違いされている方が多いようです」Padagogische Hochschule Karlsruhe(カールスルーエ教育大学)のHelmut Birkenbeil(ヘルムルト・ビルケンバイル)教授といえば、知る人ぞ知る「Biotope」の先駆者なのです。

「Biotopeのbiosは生命、toposは空間で直訳すれば“生息域”です。Biotopeという概念は、生き物のあらゆる群集の生息域で、その規模にこだわらず、生物が自然の姿で生息できうる空間でなければならないのです」(Birkenbeil教授)。

「周りを囲む石積みひとつとっても、そこに生物が生息できるような積み方や大きさ、種類などなど多くの知識が必要です。ただ積めばいいと言うものではないのです。特に池は管理が不十分ですとすぐに埋まってしまいます。」(Birkenbeil教授)。ちょうどこの地方の多くが経験したように、自然環境の中にあった湖や沼が周囲の牧草地化などの影響で消えていってしまったように、というのです。


Biotope
Biotope
Padagogische Hochschule Karlsruhe(カールスルーエ教育大学)。 “Helmut Birkenbeil(ヘルムルト・ビルケンバイル)教授といえば、知る人ぞ知る「Biotope」の先駆者
 
Biotope
Biotope
製作中の池を望む。このあと、自然環境により近づけるための作業が行われるとか。 教授と、一日中つきあってくれれたKarlheinz Koehler(カールハインツ・ケーラー)先生。

ドイツ南西部、Karlsruhe(カールスルーエ)市にあるPadagogische Hochschule Karlsruhe(カールスルーエ教育大学)は、学校の先生を送り出す教育専門の大学です。Birkenbeil教授は、そこで環境教育の一環として校内に様々なタイプの「Biotope」を学生達と一緒に作っていました。「学問を学ぶことはもちろん大切ですが、それ以上に外に出て、実際に体験することがとても重要です。これから教育者として子供達を指導していくことになる学生達に、何よりも自分で体験することの大切さを知って欲しいと思いました」(Birkenbeil教授)。

約1年間、Birkenbeil教授のもとでBiotopeとともに生物学や環境学を学んだ学生達は、教育実習生として各地の小・中学校へと赴任し、そこでまた、新たなBiotopeを創り出していくのです。その思想は、さらに子供達に引き継がれ、この地方一帯の家庭へと波及していったのでした。

「くたびれてきた校舎の再建計画を立てるときにBiotopeの導入を考えました」Koenigbach-Stein(ケーニヒスバッハ−シュタイン)にあるHeylin Schule(ハイリン・シューレ)小・中学校のUdo Mack(ウド・マック校長先生)。そこで、カールスルーエ教育大学の生物学科、生態系担当のKarlheinz Koehler(カールハインツ・ケーラー)先生らと相談、造園設計士のAnija Gruen(アニエ・グリューン)さんともにBiotopeの計画を作りました。「5年計画で校庭の全面的な改革を行います。今はまだ2年目でまだまだこれからですが、だいたいの計画は見てもらえば分かるでしょう」(Gurenさん)。「この学校での計画のすばらしさは、私達専門家ばかりでなく、生徒自身やその親たちが協力して自らBiotopeを作っていることです」(Koehler先生)

「知識を教わり、教材で学ぶ」という今までの教育から、「頭で考え、心と身体で自然に触れる」体感学習を積極的に取り入れようというBirkenbeil教授らの下で先生となった若者達が、さらに次世代を担う子供達に、自然界における“持続可能な共存システム”を教える、これこそが環境時代には欠かすことの出来ない新たな教育ではないでしょうか。


Biotope
Biotope
一つの石をおくことで数十種の生物が生きていけるようになるといいます。 Mack校長さんと、3人の孫達。彼等が大人になったとき、地球の環境は?

Biotope is a word derived from a Greek which is made of two words that are "bios" standing for life and "topos" for a space that encloses the life.

Basically, a concept Biotope stands for a space where every living creatures exist in at present and may stay as they are. Professor at Karlsruhe Education University located in south German has recently completed an interesting project which is to have various kinds of "University Biotope" in a school building in cooperation with children there as a part of environmental education program. He has introduced this new education curriculum with a view to give children who will be in a position to lead the country very soon an opportunity to experience and learn what the "long-lasting coexisting structure" is like by letting them touching and feeling the nature.


10月26日<October 26>

Biotope(ビオトープ)の本当の意味を考えてみませんか?

環境問題に興味を持つ方が必ず聞かされる言葉を並べてみると、「Biotope」はかなり上位にランクされるはずです。では、その意味もご存じでしょうか? 単純に言葉上の意味だけなら、語源はギリシャ語にあって、biosは生命 toposは空間で「生息域」を表す、と、ここまでは辞書でも引けます。

実際に環境問題に取り組んでいる方々が日々使っている「Biotope」の意味となると、ちょっと難しくなります。基本的には「Biotope」という概念は、生き物のあらゆる群集の生息域で、その規模にこだわらず、生物が自然の姿で生息できうる空間を表す、ということなのですが、どうやらそれだけではなさそうなのです。

ドイツ南部、Karlsluhe(カールスルーエ)市にあるPadagogische Hochschule Karlsruhe(カールスルーエ教育大学)のHelmut Birkenbeil(ヘルムルト・ビルケンバイル)教授は、早くから環境教育の一環として様々なタイプの「Biotope」を子供達と一緒に作っていることで有名で、我が国の「ビオトープ・コンテスト」(今年も行われたそうです)の審査員としても来日するなど、世界中で一番Biotopeに詳しい、といえる方なのではないでしょうか。

その、Birkenbeil教授に案内していただいて、Karlsruhe近郊のSchule(シューレ=小・中学校)を見て回ることが出来ました。ただしあいにくの冷たい雨ということもあって、子供達が実際にBiotopeで学ぶ状況を見学することがほとんど出来なかったのがちょっと残念ではありました。次の機会には是非とも子供達とともに学ばせていただきたいと思いました。

 


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