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2001.01.28 「ランドクルーザーに起こった事件とは」


横田隊長と寺田隊員が浅い眠りにつくころ、ランドクルーザーと4人の隊員は、そこから約400km離れたモロッコ・ダクラの街にいた。そう、昨日コンボイを組んでスタートした地点である。彼らは結局モロッコ出国を許可されず、出国印があるダクラまで約350kmを戻ったのである。

隊員の誰ひとりとして落ち度はなかった。ただダクラ出国時にパスポートに出国印を押す警察のせいだけであった。出国印をもらえていなかったのは、茅原田隊員だけでなく、偶然139台のコンボイの中にいた日本人の剣持氏も同様だった。彼には戻るクルマさえなかったので、ランドクルーザーに同乗させてあげた。4人乗車のランクルに5人無理やり乗り込み、昨日来た道を戻り始めた。彼らにとっては非常にくやしい道であった。彼らがダクラに戻ったのは夜中である。そしてすぐに出国印をもらうべく、まず憲兵隊本部へ駆け込んだ。そこはすでにこの通報を受けており、当直責任者が彼らの出頭を待ち構えていた。

谷隊員より、この事件の状況を説明すると、憲兵隊本部は騒然となり、ただちに警察に通報され、出国ビザ担当者が呼び出された。彼らは憲兵隊本部の当直将校とともに、警察へ乗り込んだ。警察で待っていた出国ビザ担当者は、まさに青菜の塩といった状態で、彼らの顔をまともに見られない状態であった。すぐ茅原田隊員のパスポートに出国印が押されたが、すでに日付がかわっていた。

翌日11日。この日はコンボイがない日であったが、谷隊員の熱い交渉が実り、彼らのためだけに特別コンボイが編成された。この日はランドクル−ザーのほかにスペインのNGO団体のローバーしかいないので、猛スピードで国境まで走る。そして見るだけで腹が立つ国境まで到着し、出国チェックを受け、モーリタニアへと進んだ。モーリタニアでも入国審査、カルネ申請などを次々とこなし、プリウスが昨日通った石畳の道を疾走する。途中「地雷注意。ピストをはずれるな!!」の看板が彼らを凍りつかせた。事実、誰もその看板を写真におさめる余裕などまったくないほどの緊張感がランドクルーザーの車内に立ち込める。「プリウスは大丈夫だったかな。」と三角隊員が言う。「さすがにここではスタックしただろうな。」と茅原田隊員が言う。こうやってヌアディブまで来る間に、彼らが、プリウスがスタックしただろうと思った場所は4箇所を越えた。

11日。ランドクルーザーがヌアディブに向かっていることを知らない横田隊長と寺田隊員。横田隊長は、ここからヌアクショットまでのルートなどの調査で、朝から街を歩き、情報収集をし始める。昼頃から昼食を兼ねて街をプリウスで一周し、途中KDDIのインマルサット端末やPanasonicのノートパソコン、CASIOの時計などの撮影をした。そしてすることもなくなり、各自部屋の戻った。寺田隊員がゆっくりとシャワーを浴び、そして今日撮影したデジタル画像をパソコンに取り込んでいる時、机の横にある電話が鳴った。鳴るはずもない電話だったが、受話器を取って耳に当てると、「いやー寺田さんですか?谷ですけれどもー、今着きました。」と、それは間違いなく谷隊員の声であった。

「で、谷さん。どこに着いたんですか。」とあるはずもない電話に動揺して寺田隊員が聞き返すと「このホテルのロビーですよ。」この谷隊員の言葉を聞き、寺田隊員はすぐさま横田隊長の部屋へ向かった。ドアを叩き「はい。」と横田隊長。「今、谷さんたちがホテルに到着しました。」とうれしそうに寺田隊員がいう。「いっやー、やったな。すぐロビーに行く。」真っ先に横田隊長がランドクルーザーに乗った彼らを出迎え、そして抱き合う。「いやー、よかった。まずみんな荷物を降ろして部屋に入ってシャワーでも浴びろよ。話はゆっくり飯でも食いながら聞くから。いやー、本当にお疲れさま。」隊員はそれぞれ硬い握手をし、部屋に入った。

夕食を食べながら、会話が弾む。「でも、よく俺らがこのホテルにいるのがわかったな。」と横田隊長が言うと、「この街に入るところで、現地人に教えてもらって」と谷隊員。横田隊長の手配どおり、プリウスとランドクルーザー、横田隊長、寺田隊員と松前、谷、茅原田、三角隊員すべてが合流した。この夕食時スタッフ全員から、横田隊長へGAPの赤い帽子がプレゼントされた。1日遅い還暦祝いは、ヌアディブの中華料理店で、ささやかにそして思い出深く行われた。

明日はついにヌアディブからヌアクショットへ向け、まったく道路のないルートを走る。これが成功すれば、サハラ砂漠を縦断したハイブリッドカーとして世界初の栄冠が手に入る。日本人が日本車で世界初に挑戦する。ホテルに戻り、それぞれの部屋に戻ったスタッフは、会えた喜びと疲れ、そして明日から始まる世界初のことの期待と緊張を抱いて寝た。
翌朝、朝食を済ませ、三角隊員がプリウスをチェックし、スタート準備が万全となった。横田隊長は、昨日スタッフからもらった赤い帽子をかぶり、「よし、行くぞ」と掛け声をかけた。ハイブリッドカーが走る未知の世界、サハラ。栄誉か奈落か。すべてが横田隊長の腕に託された。
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