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蘇る動物たち

 

セネガル
2001.01.17 「蘇る動物たち」
セネガル・サンルイに程近いところに、ガンボル動物保護区(de Faune de Guembaul)がある。

セネガルは、西に大西洋、北はセネガル川、東はファレメ川があり、西側アフリカとしては比較的水に恵まれた国である。また地形は単調だが、気候、植生は変化に富み、北から順にサヘル、サバンナ、熱帯雨林地帯となる。ある程度降水量があるため、植物が育ち、動物も生息しやすい環境であった。

しかし心無い人間による密猟や乱獲により、ガゼルやオリックスなど、この国の代表的野生動物が絶滅してしまった。そこで1983年、大統領令により、この地に動物保護区を作り、絶滅した種の動物を海外から輸入に、保護・繁殖させることを開始した。

設立は1983年5月30日。保護区面積、720ha、ほぼ1/3はラグーンという動物たちには最高の土地が保護区として指定されている。区域を柵で囲う作業に入り、翌84年まずスペインより7頭のガゼルを輸入し、この地に放った。そしてイスラエルから8頭のオリックスも輸入した。このように従来この地に生息していた種の動物たちを近隣諸国から連れてくることをすすめ、ほかにもサル、いのしし、陸ガメなどが保護・繁殖している。

この保護区には5名の管理人と、4名のボランティア説明員が常駐している。そのなかのひとり説明員のウンダガ・ウンガン(Ndaga Ngane)氏に、話を聞いてみた。

「ぼくはこの保護区で、見学者への動物の説明、地域住民への動物保護の推進活動をしています。この場所はかつてガゼルやオリックスの楽園で、それを人間の手によって破壊してしまったのです。だから今度は人間がこれらの動物のために、安心して生息できる環境作りをし、繁殖させ、やがて野生の帰すことを目標としています。当初8頭からはじめたオリックスは現在12頭、7頭からはじめたガゼルに至っては現在42頭と、歩みこそ遅いかもしれませんが着々と繁殖をすすめています。また現在年間16万人もの見学者が訪れ、みな動物たちに関心を持っているということがうれしい。でも忙しいので、今度はぜひこの活動を手伝ってもらいたいですね。」

ラグーンにはピンクフラミンゴやペリカンなども多く飛来するようになり、動物の楽園として動物、人間に認知されつつあるガンボル動物保護区。彼らのマインドとともに、これらの動物たちをセネガルの奥地で見られることを期待したい。
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