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ふって湧いた海からの贈り物

 

セネガル
2001.01.19 「ふって湧いた海からの贈り物」
セネガル・ダカールの近くにピンク色に輝く湖がある。

通称ラックローズ(LAC ROSE)と呼ばれるこの湖は、パリ・ダカールラリーのゴール地として有名だが、湖自体のことを知るヒトは意外と少ない。

正式名称ラックレトバ(LAC RETBA)。全長約3km、最大幅約800mのこの湖は、採塩業が盛んで、塩分濃度380g/リットルという高濃度の塩が、日光に照らされ湖面がピンク色に見えることでラックローズ(バラ色の湖)と呼ばれる。

現在約560名の塩の採掘人と、船から塩を下ろす女性が310名おり、この地方での最大産業となっている。アフリカでは昔から塩、金などが主要貿易品目となり、ラクダに載せ、キャラバ ンで採掘地から都市まで運ばれていた。

それだけ歴史があるのが通例だが、このラックローズだけは異なる。今から25年までは塩などいっさい採れず、魚介類を採るごく普通の漁場だったそうだ。それが1975年を境に、魚が少なくなり、かわりに湖の色がだんだんピンク色になり、塩が採れ始めた。今では湖底約1.5mも塩の層ができるまでになった。

塩の採掘人のひとり、セバトゥ・ニデアン氏(49)はこう語る。

「4時間で、約1トンの塩を採ります。それを1日2回。湖の塩分が濃いので2日働いたら4日休むことが義務づけられています。きつい仕事ですが、魚を捕るよりお金になりますね。」

また、この採塩業を仕切る仲買人のひとりは「塩は年数十回打ち上げられる海水が、この湖 に溜まり、干上がることで塩が作られます。ここで採る塩の量は、年間12万トン、採掘人の人数も決まっています。ですから、塩を無秩序に採るわけではないので、この産業が持続するのです。また観光客も年間約8万人も来てくれるので、この村は、この塩とピンク色に輝く湖のおかげで発展しています。」

アフリカにしては珍しく、ゴミが少ないラックローズ。彼らはこの地を大切にし、そして祈る。自然からの贈り物は、こうやってバランスをとることで持続可能となる。
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