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川が人々にもたらすもの

 

モーリタニア
2001.01.16 「川が人々にもたらすもの」
モーリタニアとセネガルとの国境には、セネガル川が流れる。

数年前までモーリタニアから南下しセネガルへ渡る場合、渡し舟を使うしか方法がなかった。現在では国道からそれた場所に橋がかかっているが、たいていの人は、この渡し舟を使う。料金はプリウスで1500ウギア(約750円)と比較的安い。

ドイツとフランスがライン川で分かれるように、川は国境として使われるだけでなく、人々にとってさまざまなモノを生んでくれる。まず気温を下げるということ。川の水は大気の温度を少しずつ吸収しながら流れることで、近隣に住む人々に憩いとやすらぎを与えてくれる。

つぎに魚、エビなどの食べ物を生み出す。また川の水によって沿岸に農業が可能となり、サハラではほとんど作ることができない果物、小麦などを栽培する。ときに川は氾濫することで、上流から肥沃な土が流れ、農業に向いた土地となる。そして川は、お風呂や洗濯機の役目を果たし、朝から多くの人でごったがえす。人だけではなく、馬やヤギなど家畜も一緒に洗われている光景は非常に滑稽だ。

モーリタニア側のロッソでは、まだ果物などの栽培が少なく、主食となる小麦栽培に集中しているため、果物や野菜などは、セネガルからこの川を渡ってやってくる。国と国、人と人との一線を画す川は、同時に人々に農作物を授け、住み心地をよくしてくれる。そして女性や子供たちでごったがえしながら洗濯する光景は、まさに井戸端会議の交流の場。この川が透き通っていれば、さらに国と国、人と人がよく見え、より理解しあい、よりよい環境になるのにと、セネガル川を渡ってそう思う。

今日、近くの川を見に行ってみませんか。そしてこの川がきれいだったら、どんなに心が和むか、感じてみませんか。


[ 本日のおまけ ]

本日はヌアクショットからロッソへ南下し、セネガルへ入国する行程であった。その国道を南下している道中に、偶然噂の日本人にお会いすることができた。

彼の名は小宮雄一郎君(31歳・神奈川県出身)。98年11月にシンガポールをリヤカーとともに出発し、世界各国を歩いてまわっている旅人だ。

今までに履きつぶした靴は10足以上、1足で約2,000km歩くというから、すでに約20,000kmは歩いている計算になる。

一日平均70,000歩、約60km歩くという彼のスピードは、私たちが歩いたのでは追いつかないほど非常に速い。この行動は、彼なりの主張が込められているようで、「まずもっと歩いてほしい。そしてさまざまな矛盾に気づいてほしい。」といったマインドなのだろうか。

エコミッションもプリウスで世界を回ることで、CO2排出の少ないクルマこそ、21世紀の世界標準車であると主張しているあたりが、彼と似ている。 すでに2年近く歩き続け、さらにあと約2年歩き続けるという小宮君。

もしどこかで彼に会うことがあったら、彼からのメッセージをそっと自分の感性で感じとってみてもらいたい。
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